受胎後、人間の脳の成長は脊髄を始めとして下部の大脳基底核(脳神経の集まり)や脳幹(生命の脳)など古い脳が最初に成長し活動を始めます。それら生命維持の根幹を支える脳が確実に成長したことを礎にしてその後、中部の情動活動を支える大脳辺縁系(動物的脳)、続いて知的活動・創造活動・学習活動を支える最上部の大脳新皮質(人間的脳)の成長へと下部脳から中部脳、上部脳へと順に成長していきます。ですから喜怒哀楽の感情表現が豊かな子は大脳基底核や脳幹など下部の脳・古い脳が正常に成長している上に加えて、感情表現を支える大脳辺縁系が健全に成長し、豊かに活躍している現れですし、勉強が良く出来る、学校の成績が良い、創造性が豊かだなど知的能力や創造力に恵まれている子ども達は、総じて大脳基底核や脳幹が元気に育った上に加え知的能力・創造力を発揮する大脳新皮質が逞しく育ち活動している現れで、全てが大脳基底核や脳幹の成長が基になっていくのです。逆に学力が低い、勉強や読書が嫌い、球技や運動が苦手、落ち着きがなくじっとしている事が苦手、友達とのコミュニケーションが上手くとれない、周りの雰囲気が読めないなど様々な成長発達への悩みや心配を抱えている子ども達、それらは総じて生命活動を支える大脳基底核や脳幹など下部の脳・生命の脳の成長や働きが不十分で上手く機能していない現れであることに気づくようになっていきました。
次回では現在さまざまな成長・発達に不安を抱えている子供たち現状と国の対策などについて見ていきましょう。