1,発達支援を必要としている子供たちの年々の増加
ここに文部科学省の発表している『特別支援学校・特別支援学級・進級による指導の現状』という統計資料があります。
これによると平成18年と令和元年とを比較して、その13年間で注意欠陥多動性障害児(ADHD)が約15倍、学習障害児(LD)が約16倍、自閉症児が約6.5倍、情緒障害児が約6.6倍、言語障害児が約1.3倍と、成長・発達に不安を抱える子ども達や支援を必要としている子ども達の数はいずれも大きく増加しています。また児童総数で見ても、平成22年度が12万1千名余り、令和2年度では14万4千名余りと10年間だけでも2万3千人以上が増加。また全国の公立小・中学校の通常学級に通う児童生徒の8、8%(35人学級であれば1クラス当たり3人程度)に発達障害の可能性があると令和22年12月14日の朝日新聞は報じています(文科省の調査)。それに加え、最近では自閉症スペクトラム(ASD、アスペルガー症候群)や躁と鬱を繰り返す双極性障害、更には文字の読み書きが困難なディスレクシア(読字学習障害)など新たな症状を見せる子ども達も増えてきています。人口減少・少子化が進む中、子どもの出生数も6年連続で減少し続けています。2021年に生まれた日本の子どもの出生数は国の推計より6年も早く約81万人、2022年には79万人となり、ゲーターがある1899年(明治32年)以降で最少となりました。このように国の人口も子どもの数も減少しているにもかかわらず、逆に成長に不安を抱える子どもの数が激しい倍率で増え続けているのは何故でしょうか?一つには国の特別支援教育に対する政策に何らかの原因や不足がある為と推測せざるを得ません。パニックなどの症状が出た時の各症状への対処法や有効な接し方など、また特別支援学校・支援学級、放課後等デイサービスなどの施設や制度の拡充だけではなく、子ども達の抱える不安や問題そのものを改善・解消する教育法やトレーニング方法そのものの研究・確立・開発などが求められていると思われます。