子育て知恵袋(第15回)

第3段階、運動パターン・粗大運動から微細運動へ

運動能力は全身を協調させて動かす粗大運動能力から続いて手や足・指・目・唇などを細かく働かす微細運動能力の段階へと進みます。                                                     

粗大運動能力の発達

生後の寝返り→ローリング→うつ伏せ→ずり這い→ハイハイ→高這(たかば)い→物につかまっての立ち上がり→ 二足歩行へと徐々に人間としての粗大運動能力は発達し、最終の直立歩行能力の発達へと進みます。この時期注意しなければならないことがあります。近年の住環境の変化などで、以前よりは部屋の空間が狭くなったことや家具や物が多くなったことで早くから赤ちゃんが(つか)まり立ちがし易くなったこと、歩行器などの流行で次第にハイハイをする期間が短くなり、早い時期から立ち上がって歩き出す傾向があり、早い子では6・7か月で歩き出したりする子もいます。またそうしたことを周囲は「この子は成長が早い!」などと喜び歓迎する風潮がありますが、それは脳の成長にとっては大変大きなマイナスであり、後々深刻な問題を抱えてしまう危険性があることをしっかりと知る必要があります。人類が類人猿の四足歩行から二足歩行を獲得するまでには気の遠くなるほどの長い歴史的成長課程と時間を必要としました。昔の人達はそうしたことを認識していたためか、「1歳の誕生までは砂袋を背負わせてでも立たすな!」と早くから立ち上がって歩き出すことを戒め、ハイハイを大切な成長の一段階と捉え、出来るだけ長い間ハイハイを促す働かけに努めていました。

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